
最近では、外傷が残るような暴力だけでなく、エモーショナルアビュース(精神的虐待)もアビュースとして認められ、接近禁止令(restraining order)が認められるケースもあります。
私が受けていたのは、まさにこのエモーショナルアビュースでした。
エモーショナルアビュースとは何か
身体的な暴力がなくても、言葉や態度によって相手を追い詰める行為はアビュースに当たります。
日本でよく使われる「モラハラ」と重なる部分も多く、外から見えにくいのが特徴です。
結婚して何年も経ってから気づいたことですが、あの人はナルシシズム傾向の強いタイプでした。
日本でイメージされる「ナルシスト(ちびまる子ちゃんに出る花輪くんのようなタイプ)」とは全く違い、
- なんでも誰かのせいにする
- 平気で嘘をつく
- 自分の非を認めない
といった特徴があり、相手を精神的に追い詰めるタイプの人でした。
気づくまでに時間がかかった理由
私はもともと我慢強いところがあります。
あの人は、都合の悪い話になると逃げたり、大きな声で威圧してくることが以前からありました。
「その時点で気づいていたんじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。
でも、怒鳴ったあとに謝ってきたり、「夫婦喧嘩なんてこんなものだよ」と言われると、
“そういうものなのかな” と自分に言い聞かせてしまうのです。
嘘をつかれて「おかしい」と思っても、「おかしいのはお前だ」と責められ、
わけがわからなくなるような説明で丸め込まれる。
そんなことが繰り返されました。
第三者に相談して初めて分かったこと
自分ひとりでは判断できず、
「私が大袈裟なのかも」「こんなものなのかもしれない」
とずっと思い込んでいました。
そこで私は、DV支援団体である WEAVE(Women Escaping A Violent Environment) にチャットで相談し、自分の状況がアビュースに当てはまるのか確認してもらいました。
さらに、姉妹にも状況を伝えて「これはアビュースだと思う?」と何度も意見を聞きました。
第三者の視点を借りて、ようやく
「これはアビュースなんだ」
と認めることができました。
WEAVE( https://www.weaveinc.org/)
子どもと自分を守るための決断
子どもが小さかった頃は、一人で育てていく自信がなかったこと、
そして子どもがお父さんを好きだと言っていたこともあり、
「父親がいなくなるのはかわいそう」と思って我慢していました。
でも、我慢は積み重なるものです。
何年も続けるうちに、私は深く落ち込む状態が続くようになりました。
その頃から、あの人の態度はさらにひどくなりました。
「これは普通じゃないのでは」と思う場面が増え、支援団体や姉妹に相談するようになりました。
その中で、
「これはアビュースに当たる」
と確認できたのはこの時期です。
このまま一緒にいたら、私はもっとダメになる。
そうはっきり見えた瞬間、私は別れる決断をしました。
今となっては、
「父親がいなくてかわいそう」という考えは間違いだったと断言できます。
むしろ、悪い影響があるなら、いないほうがいい。
離婚を決断するまで時間はかかりましたが、結果的に“ちょうどいいタイミング”で行動できたと感じています。
そして今は、本当に幸せです。
同じ状況の方へ伝えたいこと
アビュースを受けてきた方は、「自分には無理だ」と思いがちです。
でも、絶対に道はあります。
自分を責めないでほしい。 そして、自分を大事にすることを諦めないでほしい。
私はそう強く思っています。
